子どもたちにとって、お正月一番の楽しみで、重要な資金源にもなっているのが「お年玉」ですよね。現在は、現金をぽち袋に入れて、大人から子どもに渡すものとなっていますが、かつては全く違うものでした。
もともとは、年神様から新年に授かる「新しい魂」を「年魂 」(としだま)と言っていました。現在では誕生日がくるとひとつ年を取りますが、かつては正月に年神様から「年魂」をもらってみんなひとつ年をとったのです。これが数え年という年齢の数え方で、年神様の「年魂」をいただく、これが本来のお年玉です。
では、どうやっていただいたのでしょうか。それは、年神様に供えた丸餅を食べることでした。年神様に供えて、御魂(みたま)が宿った餅玉を、家長が家族に分け与えた「御魂分け」が始まりです。この餅玉を「御年玉」「御年魂」と呼んだことから「お年玉」といいます。この餅を食べるための料理が雑煮なのです。
また、「お年玉」は親が子どもへ、主人から使用人へ、師匠から弟子へというように、目上の人から目下の人へ渡すものです。新年に目下のものが目上のものに何かをさし上げるときは「御年賀」「御年始」とします。
そして、現在のように、大人から子どもに現金が渡されるようになったのはやはり昭和30年代の後半、高度成長期くらいからのようです。