平成28年度卒業証書授与式
2017年3月16日 13時06分本日、卒業証書授与式を挙行いたしました。
卒業生一人一人を呼名し、卒業生はそれぞれ自分の夢や決意を、会場いっぱいに響き渡る声で宣言し、卒業証書を受け取ります。
全員が立派な態度で決意を述べ、卒業証書を受け取ることができました。
続いて校長の私から、以下のような話をさせていただきました。
「本校のシンボル、ユーカリの木が、やわらかな日差しを受け、心地よい春の風に揺れています。このよき日に、袋井市教育委員会教育委員 伊藤静夫様をはじめ、多くの御来賓・保護者の皆様の御臨席を賜り、卒業証書授与式が挙行できますことを心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
ただ今、64名の皆さんに小学校の全過程を修了した証(あかし)として、卒業証書を授与いたしました。今、卒業証書をしっかり手にした皆さんの姿は、凜として輝いています。皆さんはもとより、御家族の方々も、どんなにかお喜びのことでしょう。本当におめでとうございます。
私は昨年の4月から、わずか一年間という短い皆さんとのお付き合いでしたが、皆さんが学校のリーダーとして、たくましく、そして頼もしく活躍する姿が印象に残っています。
通学班ではグループの先頭や最後尾を歩いて、下級生の安全を見守りました。学校行事や委員会活動では、下級生に優しく教え、温かく導く姿が見られました。特に入学間もない1年生に、手取り足取り丁寧に教え導く6年生の姿は、1年生にとって本当に頼りになるお兄さん・お姉さんでした。
水泳大会や陸上大会では、学校の代表として競技に臨みました。毎日の練習の中で、一人一人が目標を持ち、自分で自分から自己記録の更新に挑み続けました。大会での入賞や新記録もさることながら、多くの皆さんが自己記録を塗り替えたということ、私はそのことが何よりも素晴らしかったなと、思っています。
学習やクラスでの人間関係に、悩んだり苦しんだりする姿もありました。そんなときには、仲間とともに、話し合って、仲間を信頼し、力を合わせて問題を解決しようと努力していました。袋井中学校の生徒会で取り組んでいる、ピンクシャツデーについて、中学の生徒会役員が紹介してくれたときには、いち早く本校でも取り組んでみたいと、自分たちで考え、自分たちで準備をし、2月24日に東小版ピンクシャツデーを実施しました。このように、「自分で、自分から、自信をもって」を実践し、それを達成しようとしたこの一年、その姿はまさに学校のリーダーそのものでした。
小学校6カ年で、かくもたくましく、立派に成長した皆さんですが、卒業した後も、一人一人の夢に向かって、夢の実現に向けて、まだまだ学び続けねばなりません。そんな皆さんの門出にあたり、私からは次の言葉を贈りたいと思います。
それは「ありがとうと言われる人になりなさい」です。
「校長先生、いつも言ってるじゃん」と思った人もあるかもしれません。でもあえて繰り返します。「ありがとうと言われる人になりなさい。」
実は昨年、東南アジアやアフリカで、お米そっくりに作られたプラスチックのお米が流通して、大きなニュースになりました。そのプラスチック米は、誰かが、それを食べる人のことなど何も考えず、自分が儲かりさえすればいいと思って作り、販売したものなのでしょう。
日本でも「オレオレ詐欺」に代表される振り込め詐欺や、架空請求詐欺、還付金詐欺など、特殊詐欺による被害総額は、年間450億円にものぼるのだそうです。この詐欺というのは、人を騙して、特にお年寄りなど弱い人を騙してお金を巻き上げる、人として最低の犯罪です。
ものを作る仕事にしろ、サービスを提供する仕事にしろ、その仕事の先には必ず相手がいるものです。その相手のために、誠心誠意仕事をする、その見返りが仕事によって得られる報酬なのです。
仕事の先にいる相手のことを考えず、自分の都合で、自分が儲けることばかり考えていると、プラスチック米や特殊詐欺で、人を不幸にする人間になってしまいます。
皆さんが将来、社会の一員として仕事をするようになったとき、自分が生きる糧を得ることだけを考えるのではなく、仕事の先にいる相手のことを考え、自分の仕事によって人を幸せにできるような、そんな生き方をしてほしい。それが「ありがとうと言われる人」です。
保護者の皆様、御家族の皆様、お子様の御卒業おめでとうございます。お子様の新たな門出を心からお祝い申し上げます。堂々と胸を張って卒業証書を手にしたたくましい姿に、6カ年の過ぎし一コマを思い起こし、感無量のものがあろうかと推察いたします。学校のことを楽しそうに話す姿に、笑顔で耳を傾けたり、つらいこと・苦しいことにぶつかったときに頑張れと励ましたり、一緒に悩んだりしたこともあったのではないでしょうか。皆様が、子どもたち一人一人を温かい心で包み込み、常に健やかな成長を願い、ともに歩んできてくださったからこそ、今日という日を迎えられたのです。中学に入学しても、子どもたちを「刮目」していただき、一人一人の新たなよさや可能性を、どうぞたくさん見つけてあげてください。これまでの皆様の温かい御支援と御協力に、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
最後に御臨席賜りました地域の皆様、用行義塾144年の伝統に立った地域の力は、本校の安定した教育には欠かせないものです。卒業生に対する御厚情と、本校教育への日頃の御支援と御協力に、深く感謝申し上げます。今後とも卒業生を始め、本校の子どもたちを温かく見守ってくださいますよう、心よりお願い申し上げます。
では、卒業生の皆さん、卒業は、始まりのときでもあります。袋井東小学校の卒業生として、刮目の精神を胸に、感謝の心を持ち、心身ともに健康でこれからの「自分づくり」に「自分で」「自分から」「自信をもって」挑戦していってください。皆さんの輝かしい未来を心から祈り、式辞といたします。
平成29年3月16日 袋井市立東小学校長 寺田敦朗」
記念品授与・・・市からいただいた卒業記念品を、卒業生代表に手渡しました。
「旅立ちの言葉」・・・6年間の思い出や思い出の歌を卒業生が披露しました。
卒業生退場・・・5年生がリコーダー演奏する曲は「風が吹いている」でした。
職員と5年生で卒業生を門まで見送りました。
6年生、卒業おめでとう。そして今まで本当にありがとう!