29日に立てるのは「苦立て」、31日に立てるのは「一夜飾り」といって避ける風習があるからです。一夜飾りを避けるのは、直前に飾るのは誠意に欠け失礼にあたるということと、葬式の一夜飾りに通じるので良くないからというふうに考えられています。なお、昔は日没が1日の終わりで、新年行事の始まりを日没としていたので、大晦日には年神様が来訪するとも考えられていました。こういう考え方は、クリスマスのイブの考え方と同じですね。
今では上の写真のような注連飾りと、小型の門松を飾るのが普通になりましたが、どちらも年神様を迎えるために飾りつけられるものです。ここは年神様をお迎えする神聖な場所という意味で、神棚、玄関、床の間などに注連縄を張ったり、注連飾りを飾ったりします。門松は、年神様が迷わずやってくるための目印です。立てる木には杉なども使われていましたが、平安時代に「常緑の松は神様が宿る木」であり、神様をお待ちするのにふさわしいと考えられ、松が使われるようになりました。後に、まっすぐに節を伸ばす竹と、新春一番に香り高く咲く梅が縁起ものとして添えられました。これが「松竹梅」の縁起物組み合わせの由来です。