刮目の庭 ヒトツバタゴ 2017年5月9日 12時52分 藤の花に替わって、白く可憐な花を咲かせているのが、ヒトツバタゴです。 続きを読む 遠くから見ると、まるで雪が降り積もっているかのようにも見えます。ヒトツバタゴ(Chionanthus retusus)モクセイ科の落葉高木。アジア東部と北アメリカにだけ知られる独特の属の植物で,日本産のこの種は中部地方と対馬,朝鮮半島,中国,台湾に自生している。大きなものでは幹は高さ約 30m,直径 70cmに達することがある。枝は灰褐色。葉は4~10cmの長楕円形から広卵形で全縁,長い柄があって対生する。花は5月に枝の先に直立する円錐花序をなして多数つき,花冠は白色の筒形で深く4裂する。核果は長さ 1cmほどの楕円形で黒色をしている。枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白い花をたくさんつくる。4つに深く裂けた花びらは細く、白糸を束ねたようである。満開時には、全体に雪が降り積もったように見える。環境省のレッドリスト(2007)では、絶滅危惧II類(VU)に登録されている。別名を「ナンジャモンジャの木」という。ナンジャモンジャは、その地方には珍しい樹種や巨木をさす呼称で、一つ葉たご(ヒトツバタゴ)に限定されるものではないのだが、本種をこの名で呼ぶことが多い。なお、和名の由来は、「一つ葉のタゴ(トネリコの別名)」からきている。トネリコが複葉なのに対し、本種が単葉であることを指す。絶滅危惧種に指定されているような、貴重な木と花を間近に見られる刮目の庭は、やっぱりすごいですね。 閉じる